121

 

大腸手術から1年、これから第3ラウンドの肝臓再手術だ。昨日は採血とペットCTだった。

採血は今まで早朝にしていた。採血場は8時から始まるが、オープン時間は早くから並んでいた人で超満員だ。AからCグループまで各6人位計18人位の看護師が区役所の窓口のように並んでいて各15人位が待っている。何と250人位が待っている状態だ。

昨日は幸い午後だったので15分待ち位で直ぐ出来たが、ここの採血はみな熟練揃いで、私のように血管が出ない人でも殆どすんなり入ったが、珍しく昨日は1度目失敗2度トライする事になった。

 

ペットCTはガンが再発や転移していないかの全身チェックのCTだ。この検査はまず糖分と核を含んだ造影剤を注射し、休憩室で1時間500mlのボトル1本水を飲みながらディクライニング・チェアーで待機する。撮影は普通のCTと同じで20分位で終わる。しかし直ぐには帰れず20分ほど薬が抜けるのを待つ。子供や妊婦に近づいてもいけない。それ程強い薬ということだろう。もし他にガンが発生しているとガンは糖分が好きなので薬がそこに集まり、それがレントゲンで色となって分かるようになっている。便利なものだ。

 結果は7日の診察で分かる。ほかにガンが無ければ直ぐに入院・手術になるだろう。

 

12月2日

 末梢神経障害もまだ続いているので杖を付いているのと、寒さは症状が強く出る時もあるので、夜の外出は極力避けている。一昨日の病院が3時からで採血と2時間のCTで結局暗くなってからの帰宅になった。平日なので新宿のホームはそろそろラッシュ状態で、杖を付いてもたもた歩いていると迷惑もかけるし、流れを横切るのに危険を感じたりでやはり弱者感を改めて認識する事となった。

 

12月4日

最近TVをみていて思わずホロリとするケースが多い。しくじり先生で取り上げられた「星の王子様」、「キリンの子 鳥居歌集 」の歌人鳥居の生い立ちの番組など、ちょっとしたドラマでも感動したりが多い。年のせいか番組のせいか・・・。

12月7

 今日は午後から先週のペットCT と血液検査の結果診断だ。血液の方は先月発見された肝臓の潰瘍がどのくらい進んでいるかが分かる。ペットCTは7月25日に抗がん剤をやめてから肝臓・大腸を含め、他の部位に再発していないかが分かる。いずれにしても発見されている肝臓は年内に手術をすると思うが、他のに再発していないように祈るだけだ。

 

前出の短歌のに興味を持ったので、これから少し勉強してみようかと思っているが、ルールも知らないが、2つうかんだ。これで良いか分からないが。

 

「これとれ(切除)ば治ると心励まして手術する朝 笑顔振りまく」

「終点が見えないガンは山手線早く降りたい駅は何処に」


12月8日

検査の結果他の臓器の転移や大腸の再発はなかったので一安心。肝臓の腫瘍は一月分進行しているようだ。早々に手術だが最短で27日だったのでそこで決定。入院までに通院で諸々の検査などをして24日(クリスマスイブ)に入院の予定。

2週間の入院にしても1月10日位に退院になる。「年末年始はハワイに行っています」という事にしておこう。

 

12月14 日

手術に向けての検査の日だ。

もう3回目なのでやる事は全部わかっているつもりだった。呼吸器の検査は相変わらず苦しい。息を吸えるだけ吸って、息を吐く。もういいかと思うくらい吐いてもまだまだと許してくれない。何回もやらされる。そのうちこれで血管プッツンになってしまうのではないかと思ったりする。その後今までしたことない検査「生体化学検査」があった。体重計のようなものに乗るだけでいいのだが、脂肪率や、体の水分量などが分かるらしい。心電図をとりその後レントゲンと採血をした。最近採血の時に血管が出ない事と注射器の刺しすぎで固くなっている事で、いつも針がすぐに入らなくて苦労を掛けている。

最後に検査全ての結果を見て麻酔のやり方などを決める検診をし説明など受ける。3回目ともなると同じ麻酔科の先生だったりして阿吽の呼吸で直ぐ済んででしまった。

これで入院を待つのみとなった。

12月18日

短歌の本を色々読んでみるとやはりなかなか奥が深い(当たり前だが)。一時話題になった「さらだ日記」を読んだが、なかなかうなるものもあった。著作権上表記肌機内が。とにかく思いつくものを書くのが初心者にとっては必要らしいので・・・。

「アイデアが浮かぶ毎日嬉しけり キャンサー・ギフト時は少なし」

「この年を宇宙から見る蒼い星移ろい秘めてなお静かなり」

「数多きまさかの年を下にみてただ餅をつく月ウサギ見る」

 

12月23日

TVで羽田の出国ラッシュのニュースをやっている。私もトランクに下着や洗面用具などを詰めたり旅行の準備のような作業をしている。神棚・仏壇の掃除もしておかなければ・・。

メールは半月シャットダウンなので連絡メールをしたりやる事は結構あるものだ。

明日からはベッドからスマホでこの日記も更新です。文字色やフォントが上手くいかない時が多いですがご勘弁ください

12月24日

クリスマスイブと入院は何と噛み合わない。ハードロック歌手が海水浴をしているように似合わない。

二人部屋は嫌な印象があったが、個室という訳にも行かないので、申し込んでいた。しかし空室が無く今日は大部屋へ。むしろこちらの方が気を使わないかも知れない。

入院に際しての諸々手続きや基本作業とレントゲンなどで一日が終わり夕食。出ました!鶏モモとケーキのおもてなしでした。(写真は下)

病室のイブのレシピのおもてなし その優しさがなぜか悲しい」

12月26日

昨日から二人部屋が空いたので移動した。1日過ごした相部屋は6人部屋に5人だった。そこで分かったことは、それぞれの病状、ある程度の性格、家族の状況などみんな筒抜けになってしまう事だ。またそんな話が聞きたく無くても聞こえるので落ち着かない。患者ごとに担当の違う看護師さん達は、大きな声でハッキリと話すように教育されているのだろう、部屋の中は何時も賑やかだ。二人部屋に移動して良かったのは、ものを考える時間が持てるのと、やはりスペースを含め気分的にもゆったり出来る事だ。。

明日手術なので、今日は説明や準備で忙しい。その中で経験した人しか分からないのがおへその掃除だ(もちろん看護師さんがやってくれます)。多分ばい菌などが潜んでいると、手術の時に誤って入るといけないからだろうが、結構細かい所に念を入れた注意がはらわれている。その他これは当日の準備だが、足にキツキツな長めなストッキングを履く。これは長時間寝たきりなので、足の血管に固まりが出来るのを防ぐためだ。飛行機などで長時間座っていなる時に起こる例の病気の予防だ。

明日は朝8時過ぎから手術なので多分日記は書けないだろう。

 

 

12月29日

28日は手術報告出来ませんでした。手術の第一報です。27日午前8:30から2時で無事終わりましたが、終わってからが痛かった、目が覚めてから傷の痛みがハンパ無かった。痛みが激しく、唸る、冷や汗をかく、吐き気もする。思わず握りしめるもの何か下さい。片手タオル片手ベッドの柵にを握り締めた。後からカミさんの話しでは、血圧も下がって来て、これで駄目なのかと思った、と言っていた。
そんな事で今回は難産だ。只今熱が39度体は身動きできず。難儀な事です。今日はここまでで精一杯です。スミマセン。(以上28日分)

   29日

今日はやっとホットしています。
点滴以外の管ははずれました。熱も37度位になり傷は未だ痛みますが順調に回復してるようです。
ご心配をかけました。

痛みは取れたとは言え、ベッドの上がり下りやトイレへの歩行は唸りながらです。未だ2日後ですからね。

12月30日

病院内もここまで押し詰まると、正月を自宅で迎えようと患者数がだんだん少くなる。今日からは多分二人部屋を個室の様に使えるのではないか。(甘いかな)看護師さんも手が空くからケアーが良くなる。嬉しい。

12月31日

今年も1年間お世話になりました。皆さんの励ましが有って、病院とは言え新年を迎える事が出来ました。感謝!!

 

世の中の状況はTVで知るのみ。でも30分位の間隔で血圧、点滴、血糖値、体温、回診、部屋清掃、採血などなど全くTVウヲッチなどゆっくり出来ないのが病院です。

年越し蕎麦は出るか。後ほど・・。

おもてなしの写真はこのページ一番下にあります。

ここ続きは「2017年1月」のページへ

 

 

 

 

 

以下11月


11月1日

11月になりました。

ガン告知を受けたのが昨年1114日でした。この1年はガン騒動とも言える明け暮れでした。皆様の励ましは本当に力を頂きました。長かったのか、あっと言う間に過ぎてしまったのかと言われれば速かった1年でした。時間の経過をたどってみると

 2015.11.14:ガン発見 

   11月19:日 大学病院で初めての診察検査  

   11月28:日 入院

   12月2日  結腸切除手術  12.13:退院  

 2016.1月5:日 抗ガン剤投与とポート埋込手術入院

    1月11日 退院  

   1月.21日: 抗ガン剤投与入院  1.25:退院

 以降は自宅にて抗ガン剤投与(大腸癌再発と転移していた肝臓癌の縮小目的)

  8月1日: 担当医が肝臓担当に代わる。 

 9月15日:入院  

  9月16日:肝臓手術(4ヶ所切除)

  9月.23日退院  

以降抗ガン剤副作用に悩まされながらも自宅にて療養

 

115

久々の病院での採血とCTスキャンだ。通常はその後後診察があるのだが、今回は12日に診察がある。副作用の末梢神経障害以外は体調的には問題が無いのでデータも問題が無いと思うが、次の段階はどうなるのだろうか。 

 11月⒓日

 本日は検診の日でした。5日に採血したデータとCTの写真での検診だった。採痴データを見てマーカー数値が高いと言われ?何でだろうと思っていると、医者がスキャンの画像をチェックして「えつ!」言った。医者のこのセリフは体に良くない。

全快の検査では見えなかった小さながんが成長していたのだ。従って再手術だ。

とりあえず今度は取り残しが出来ないので、1130日にもう1度ペットCTをして12月に手術になるようだ。幸い場所的には難しい所ではないので不幸中の幸いだ。

なかなかガンは一筋縄にはいかない。

年末でもあり、もう一度諸々スケジュールなど仕切り直しをしなければならないようだ。

 

11月20日

なかなか筆が進まないのは体調に変化がないことでもあり、特にスケジュールがつまっている訳でもなく、何となく毎日が過ぎていくので・・・。なんか寂しい部分もあるがこれも贅沢だ。

本日バンドのメンバーと久々に会った。やはり楽しいし、話も弾む。特に皆さんの奥様までもが、私の体調を気遣ってのお手紙をいただいたり、TVのガンの番組などの情報をいただいたりで本当にありがたく、また嬉しい。

11月26日

抗がん剤オプジーボの話は前にも書いたが、来年から半額になるそうだ。半額と言っても3500万円の半額だから庶民にとってはあまり関係ない。1割負担でも175万円だから大変だ。しかしこの件で思う事は複雑だ。医療費など保険で支払っている部分は膨大な金額になっている。申し訳ないような気持と感謝の気持ちをまず最初に感じる。治療や薬剤研究の進歩は急速に進み患者にとってはありがたいことだが、医療費の金額は膨大になる。国はそれを抑えようと思うが、片や長寿を抑えるわけにもいかない。また保険を使わなくても支払いができる人は高額な治療や薬が使えたりする。ある意味での格差が生じる。

そんなジレンマはどう考えたらいいのだろう。また保険を使わなくても支払いができる人は高級な治療や薬が使えたりする。ある意味での格差が生じる。      


 

 

ガンを切除して見た目にはガンが無くなるとガン患者でなくなったような気がしていたが、また発見されると急にガン患者なったような気がするから不思議だ。やはり病は気からだ。

 

国内問題、外交問題

 

国に国内問題と外交問題があるように、人間個人にも他人への心配りと自分の中の問題に捉われなければならない事がある。2つのバランスは状況によって変わるのは、国も個人も同じだ。今韓国は外交どころでないかも知れない。アメリカは外面(そとずら)を良くするより、自分を充実しなければならない時期だそうだ。自分をの事考えると、病気になると内向きな事(国内問題)を考えざるお得ない。国が充実して余裕が出来るれば、外交も上手く行くし援助も出来る。戦争がやりたくなる余裕や栄養の取りすぎも困るが〜

 

 追い詰められて

 

最近思うのですが、体から(表面上)ガンが亡くなってから、難しいことを考えたりウログに書いたりしなくなりました。考えにゆとりができたからでしょうか。こどもの頃夏休みの宿題をギリギリまでやらないで、8月末に慌てる事が良くありましたが、それと共通するものがありそうです。

 

作家や漫画、作曲家が発注を受けて締め切りギリギリまで作れない。締め切り間際に追いつめられるといい作品ができるなんて聞きます。これが正に追いつめられると頭(脳)が働くのだと思います。

 

これと似ていることで人間は環境が悪いほど大きくなれる。例えば歌手や俳優は育った環境が悪いほど大物になる。東京で良いうちに育ち何でも満たされているとシャープになれない。ポートしていて競争力がないケースが多い。変な話だが大作曲家には悪妻が多い。こんなことも事実あります。 いずれにしても大芸術家はギリギリの人が多いのも事実です。

 私は大芸術家ではないのですが、追いつめられた1年は難しいことが書きたくなったのは間違いありませんでした。

 生活

 

先日某TV番組で某氏が言っていたのですが、生活とは「いきるをいかす」だという意味だそうだ。生きていることを人のために活用する。確かにそう解釈するとハッとするものがある。誰しも期限が切られている命なのに、ちゃんと突き付けられないと残る期間を生きるという事をまじめに感じる事は少ない。それが突き付けられた人だけ幸いに「いきるをいかす」が切実に分かるのだ。

 まあ四六時中そんなことを考えていると息がつまるので、猫のように日なたでボーとしている時間も必要だろうけど・・・。

 

 がん哲学外来の話

前にも読んでご紹介もした本ですが、また読みたくなった。「がん哲学外来の話」だ。ガンの人を見舞うのは何となく腰が引けるようただが、この本では<がん患者を見舞う時の新常識>のようなチャプターが有ったり視点の角度が面白い。

 こんな内容だ。

 見舞いは1週間ほど前に予約を・・。(もちろん髪の毛や激痩せの場合を考慮して)見舞いに行っても何を話していいか分からない。ご家族との会話も気を使う。「仕事は大丈夫」「いつまで休めるの」は禁句だそうです。本人が一番不安に思っている事で落ち込ませてしまうからです。普段の会話が良いそうで、目上の場合は逆に相談を持ちかけるのも有りだそうです。患者さんが疲れない様に本人とは短めにして、ご家族などとへの励ましや、慰めなどを別室でするのも良いらしい。ご家族は第二の患者と言われる程色々抱え込んでいる場合が多く、息抜きになる事もあります。

 こんな感じでひとつ踏み込んでがん患者だけでなく、医者・看護師・家族などの心理的面まで参考になる事が満載です。

 

 

余命半年、僕はこうして乗り越えた! ~がんの外科医が一晩でがん患者になってからしたこと~

上記は本のタイトルだが、一般的に医者が書いたガンの体験談は患者と医者の立場を双方向の角度からの体験談なので非常に面白い。この本の作者も金沢赤十字病院の外科の医師(副院長)で大腸がんの権威だそうだ。脂の乗った働き盛りの医師が突然胃癌で倒れ、リンパへ転移するほどのステージだった。意外と医者は自分の病気に対しては、いつでも出来る・忙しなどの理由で検査をしない人が多いらしい。

分かりやすい書体でさらっとガン体験のスト-リーを綴っている。一番印象に残ったのは「ガンは皆フリをしている」こんな言葉だった。医者はみんな病気を分かっているふりをしている。患者は元気なフリをしている。看護婦も何でも分かっているフリをしている。その辺の呼吸が両方を分かっている立場での表現が面白かった。

 

 

確率

TVの番組で初めて知って残酷なものだなと思ったのだが、乳癌は遺伝的な要素が強く、子供に遺伝する確率は50%だそうだ。しかも女性にだけでなく。男性の場合は前立腺癌になる場合が多いそうだ。こんなことが分かってくると子供の頃から血液を調べれば用来の病気確率が分かってします。アメリカの女優アンジェリーナ・ジョリーが乳癌予防で乳房を削除したのもこんな理由からだったらしい。化学が進むと運命が分かってしまう残酷な時代になった。

  確率2

前にもかいたが、大腸癌が転移し易いのが肝臓でその次が肺だそうだが、肝臓の場合切除が出来る条件は、取った後の肝機能が正常に働く事だ。肝臓は復活力が強く、極端な場合70%取っても残りが正常に働けば1年も経たないうちに元復活するらしい。そのせいか転移ガンの中では一番完治する率が高いガンらしい。それにしても5年後の生存率は約50%と言われている。この確率は何とも期待出来るのかが微妙な確率だ。最近カジノが話題になっているが、カジノで交換勝つか確率はどれくらいだろう。回を重ねると多分どんどん0%近づくのではないだろうか。いずれにしてもこんな命がけの賭けは嫌だ。

東田直樹

NHKスペシャル「自閉症君が考えてくれたこと」を観て東田直樹を知った。検索をしてみると既にだいぶ前から注目されていたようでした。自閉症でありながら独特な鋭い感性があり、エッセイや小説などで生きることを自分の観点で表現している。翻訳されていて海外でも数か国に読者が広がっているそうです。番組ではその翻訳者と作者の出会いが収録されていたが、翻訳者の息子さんも精神的障害で、その出会いなどが興味深く描かれていた。また取材をしている記者もガン患者で、悩みを抱えつつの取材だが、最後はまだ若い著者に生き方を教えられるようなコメントを投げかけられるシーンもあった。色々考えさせられるような素晴らしいドキュメント番組だった。早速彼の本が読みたくなった。 自閉症の僕が跳びはねる理由 (角川文庫)

跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること

上記「自閉症の僕が跳びはねる理由」東田直樹の本をアマゾンで検索したが、品切れで29日に出荷となっていたので、「飛び跳ねる思考」という本を頼んだら、入院前に届き、一気に読んでしまった。思った通りで教えられる部分も多く、自閉症という病気を少し理解できた。

一番興味が有ったのは「魂」というコーナーで、「僕の魂は肉体に閉じ込められているのではないか・・・」「魂は自分が持って生まれたもので心の動きを司る・・・・」「時にはなだめ、励まし、落ち込む僕を笑い飛ばしてくれる・・・・」「時々僕の体から飛び出し・・・・慌てて戻って来る・・・」

こんな物の考え方が出来るのは素晴らしい才能だと思えた。

 

トイレの話

ちょっと汚い話になってしまいますが、消化器外科とトイレのは切っても切れない仲です。その割に絶対数が少ない。

今回は肝臓だが1年前の大腸の時はだいぶヒヤヒヤした記憶があります。今度の手術が終わって3日間ほど便秘をしたが、29日に一気に下痢になりトイレに到着前にソソウをしてしまった。理由は沢山あるが、手術の後で体が動かない。殆んどお辞儀をした形で看護師さんに手を引かれヨタヨタ行くわけだから時間がかかる。しかもトイレから一番遠い部屋だ。丁度カミさんが来てる時なので、残務整理をお願いして今後に備えオムツを買って来て貰った。

その日の夜中また模様しオムツが役に立ったが、

病気とは言え何とも情けない。

 

 

心構え

大学病院は最初から契約で生徒さんの勉強の参考になる患者である事が約束されているが、事命に関わる部分は熟練の先生にお願いしたい。心臓手術や脳の手術の大事な急所はもちろん大先生がやるのだろうが、その他の手術や治療でも時には命に関わることも沢山あります。皆誰も新人はゼロからの出発だか初めて手術をする時はある。その辺の事は微妙だが、部分麻酔で頭の上で「もっと右、もっと右や」「行けるとこまで差し込め」こんな会話をされると、おいおい大丈夫かと思うのは私だけでは無いだろう。

日常の事でも背中に刺す硬膜外麻酔の管が、夜中に切れて看護師さんに言ったら、つなぎ目が取れただけなんで直りましたと帰ったが、朝の回診でも取れて居て、話題になった。夜中でも分からない事は専門の先生に相談して解決出来るようにしてもらいたい。神経麻酔の様な痛み止めは大事になる事も考えられる。

文句ばかりが出てしまうが、病院は患者第一、医師、看護師さんの順で都合を優先してくれると有難い

ICUでウンウン言っている時に、正月休みとは言えバリ島旅行やハワイ旅行の話をペチャクチャ喋り挙句はフラダンスの真似はないと思う。自分が行けないからでなく、規律と心構えの問題だ。ICUの中なのだから緊張感が必要では無いか。

料理店でもカウンター内の料理人同士の私語は嫌なものだ。ある流行りのチェーン店で自分の離婚原因など先輩か同僚同士で話している店があったが客はそんな物聞きたく無い。馴染みの店でのマスターとの会話ならうなずけるが。

 

文化の発展

それにしてもどんな熟練工、物知りでも100歳以上は無理で、もし200歳の熟練工が居たらもっともっと凄い事が発明されたり技術が発見されたりしたかもしれない。それぞれの分野で達人が自分の持っているベストのジャンルで業績を残し、後半はそれを伝達して行く。その積み重ねの連なりで文明、文化が創られて行くのだろう。あたかも城の土台石をつみあげるように。

しかし残念ながら戦争の様な人の犠牲によって発展したものも数多くある。人類のための発展と言えない兵器のやうなものも数多く存在する。積み上げてきたものを全て無にしてしまうものもある。

またIT・AIは寿命が無いから今までの人間以上に積み上げが可能だろう。これもプラスに働く者のみセレクト出来る頭脳が必要だ。それぞれの分野の人が、ウィキのように自分だけの発展アイデアを蓄積して行き、その集積をIT・AIが生かしていく。誰でも得意分野で世の発展に参加できるのだ。将棋のプロがAI負けるなんてのが例だろう。昔は「まあ人間なんだから失敗もあるさ。」とか「人間味が有るから良いね」などと言ったが、AIは人間の中の完璧な部分だけで構成された頭脳ができるはずだ。人の持つ「見得」「目立ちたい心」「命令に逆らえない弱さ「特をしようとする駆け引き」「タテマエ」「世間体」全て無いのだ。人間がいなくなる訳でないから、人間味は人間に任せて置けばいい。そう考えると大きな発展と大きな恐怖を取り払うためにもITを活用したい。

 

 


<以下10月>

 

⒑月1日

いよいよ冬を感じる季節が巡ってきました。最初の手術が12月2日で寒さ真っ只中でした。入院中は寒さを感じず良かったのですが、退院をして自宅での療養は寒いとなかなか面倒です。

1月に入って抗がん剤が始まってからは、特に寒さは堪ええました。2月頃には副作用で手足の末梢神経が影響を受けて、痺れや冷たいものが触れないだの、諸々影響が出始めました。特に寒い目にあった日は副作用が激しくなります。その痺れや痛みは今も続いていて、抗がん剤をやめても一向に良くなりません。冬に向かうのが憂鬱です。

 

10月2日

10月8日が最初の外来診察日で、それまでは沢山食べて運動してと言われています。それまでは傷口にホチキスをしたまんまの生活だ。

現在の状況と今後の展開が見えないので、頭も回らずブログも書けない。すみません。

 

106

 8日が検診なので、その日に傷のホッチキスを取ると思うのだが、心配なのはこれだけ食い込んでいるとだいぶ痛いのではないか。長さも30センチはあるし、歩いて帰れるのだろうか。

熱などが出ると10日のFM番組収録が心配だ。

 

10月8日

 退院以来初めての検診日だ。朝の採血は8時半からと朝早く自宅を出なければならないが、幸い土曜日なので電車がラッシュと重ならなくて楽だ。待ち時間なしで採血をし、検診まで1時間の待ち時間。採決の結果は順調に回復している数値で一安心。次回は11月1~2週での採血&CTだ。

 

検診の後抜糸ならぬ抜ホッチキスをした。かみさんに「大分食い込んでいるから痛いよ」お脅されたが、実際は23箇所チクチクする程度で直ぐ取れた。

副作用の末梢神経障害以外は何も問題点はないのだが、「治った、万歳!」という気分でないのはどうしてだろう。
10月13日

10日にFM番組収録で五反田まで出かけた。退院後初めての電車だ。足の痺れがひどいので杖をついての外出だ。頼りすぎて杖なしで歩けなくなるのも嫌だが、駅の混雑などでよろけるのも怖い。

その後の療養生活は特に変化なく、残念ながら書く事もない。

 

1018

 毎日がおかげさまで平凡であまり書くことがありません。

これが良いことで、贅沢なことでなのだと思います。

 

最近ご主人が大腸がんの中学時代の友人と、バンド関係の友人で大腸がんの方の話を聞くチャンスがありました。お二方とも直腸がんで、人工肛門で大変悩まれた話でした。同じ大腸癌でも結腸と直腸の違いは大変な差があるようです。こればかりはどちらになるかは神のみぞ知るで、どうしようもないのです。癌は発見から治療、再発まで確率的分岐点が至る所にある病気です。

 

10月20日

演歌のない毎日だが、体重が手術後から2キロ半程増えている。経過が順調という事だろう。手足のシビレは相変わらずで、靴の中に小さいゴムまりが2~3個廃入っているようで歩きにくい。転ぶといけないので仕方なくおやじが使っていた杖をついて歩いています。

1021

今日久々にバンドのメンバーと食事をした。会った途端に皆んな元気そうだね、顔色が良くなってるね、などの言葉を掛けてくれた。嬉しかった。そんな言葉を掛けて貰うと、不思議と更にだんだん元気になっていくようだ。前に何かで読んだが、会う人会う人から「顔色が良くないね」「身体大丈夫か」などと言われると本当に具合が悪くなるそうだ。今回はその逆で、家に帰るとカミさんから「今日は元気そうだね」と言われた。人間とはそんなものだと思う。

 

相手は自分の鏡で、眉間にしわを寄せてガンマー線を出していると相手もガンマー線を出して来る。外国なども似たところがあるのではないか。最近色々な大統領やその候補もいるが、日本はどうなんだろう。

 

 

 

転移 (朝日文庫)

 

暫く本を読まなかったが、最近中島梓の「転移」を読んでいる。丹生がでの手術の後膵臓他に転移してからの闘病記だが、この人の強さには感心してしまいます。余命1年以内で毎日痛さや体力の無い中で、執筆やライブ活動(ジャズピアノ)などをこなしている。気力以外の何ものでもない。前に紹介した将棋指しの村山聖の「聖の青春」でも書いたが、何か強い達成しなければならない目標を持った人の闘病記は本当に感動する。

 

物の値段

 

昔から考えていたのだが、魚は正札を付けて泳いでない。勝手に人間に格付けをされて迷惑だろうなあ。それも時代が変わると、勝手に人間が決めた下の魚(例えばイワシ)などの株が上がったりする。取れ高によるのか,味の好みが変わるのか,単なる評判(口コミ)か理由は色々あると思う。

 

魚だけでなく果物なども昔と価値観が大分違うものがある。私の家には子供の頃庭があり、ビワ、栗、イチジクなどが季節になると毎年楽しめた。今やビワやイチジクはとんでもない値段(昔を考えると)で売っている。

またキャベツが採れ過ぎて、値段の調整で廃棄されることもあった。

最近の話題で抗がん剤の新薬「オプジーボ」が大変高額で、医療費の増加になる理由で国が値下げを考えているそうだ。薬は研究開発費が膨大にかかるので値段も半端でない。こんな場合は国が保証するのだろうか。いずれにしても税金で賄うのか使用する人が支払うのかの違いだろう。

 食物のみならず物の価値観は時代と共に変わることに驚く。

 

 

3つのカク

 

誰かの言葉だったか「3つのカク」が何となく浮かんだ。義理を欠く、恥をかく、汗をかく以上3かくだ。人生の終点が視野に入った最近だから考えるのだろうか。世間体を考え、同じ意味で他人からの評価や見え方を気にして生きてきたような気がするが、もうそろそろ自分中心の考えを優先して、のびのび生きてみたくなった。そしてやりたい事を汗をかいて一生懸命やる「今やらないとやる時が無くなるから」そんな気持ちの今日この頃です。

 

 

再発 がん治療最後の壁

 

がん患者にとってインパクトのある言葉の双璧が「転移」と「再発」です。前出の書籍が転移とタイトルされた。今回紹介するのは再発がタイトルの書籍だ。この本の著者は元読売新聞の医療関係の情報部署の責任者で、ガンの成り立ち、がん細胞の情報それぞれボ発がん部位とがん細胞の関係など、非常に分かりやすく書かれている。癌の全体像を知るために役立つ本だ。