昨年よりご心配・お励ましを頂いた大腸ガン治療も8ヶ月が経過しました。
12月大腸切除、1月より抗ガン剤投与を続け、7月25日に12回目の投与をして来ました。同時にCTスキャンの結果検討で効果が認められたので、転移していた肝臓ガンの患部切除手術の検討にはいりました。8月に入り手術の準備検査をし、今後手術日などがきまります。
(7月は下部に有ります。)
8月1日
いよいよ癌治療も第2ラウンド。担当医が大腸から肝臓担当に代わり、8月末の肝臓切除手術(4カ所切除かあるいは3分の1+2カ所)になる模様。手術日は8月中⒛日以降になる予定です。
8月2日
今日はペットCT検査をやってきました。2度目です。結構大事なポイントでもし肝臓以外にがんが見つかると八月末の肝臓潰瘍部分の切除手術は中止になるだろう。そして進行を遅くする抗がん剤生活に入るのだろう。
8月10日
今日は麻酔の説明を受けました。すでに昨年末の手術で問題点はなかったのですが、残念なことが分かりました。
一つは背中に打つ硬膜外麻酔ができないことです。この麻酔は手術後に痛み止めの薬も入れられるので前回の手術で強い味方でした。しかし今回は抗がん剤の影響で血小板が半分くらいしかないので問題が起こる可能性がありできないとの事でした。手術後の痛みが心配です。
もう一つは、手術とは関係ありませんが、副作用の手足のシビレれがすぐには治らないと言う事が分かりました。半年投与していたものは治るのに1年ほどかかるようでとても不自由です。
8月12日
手術のための検査、今日はMRIスキャンだ。12月の手術の時にやったと思っていたが勘違いで、初めてのようだ。他のスキャンと違う所はとにかく大きい音がする。消音ヘッドフォンはしているのだがとにかく大きな音だ。しかも色々な音域のコンピュータ的な音の連打で、道路工事のようなものからYMOまで・・・不思議だ。
8月13日
今日は検査の結果で今後のスケジュールを決める日だ。医師は潰瘍の出来方を調べ、切除の仕方を考えているようだ。たぶん3分の1と細かいもの2つか3つを取るのだろう。ここで問題が・・・。肝臓の色が少し黒くて機能が悪くなっているようだ。多分抗がん剤のせいだろう。結果手術のスケジュールを半月延期し、9月16日を予定した。
それと同時に肝機能検査で注射と採血を左右の腕から一度にやる不思議な検査を行った。
8月14日
昨日の診断で一番ホットしたのはペットCTの結果が問題なかった事だ。この検査はがん細胞が他の臓器に転移していないか調べるものだが、もし他に転移が見られると手術自体が多分中止になっただろう。それは今後進行を遅らす延命抗がん剤治療への転換を意味する。
また今更ながら抗がん剤が効く体質だった事に改めて感謝したい。
8月16日
明日は肝臓の機能を調べる検査だが、核を使ったスキャン風のものらしい。全く初めてのものなので不安だが、いずれにしても外から撮影するものなのでいつものスキャン系と変わらないだろう。
8月17日
台風の来襲と肝臓検査の時間がぴったりダブっていたので心配していたが、台風の速度が速まり出かける8時前は太陽が出ていた。
初めて受けるこの検査は肝臓アシアロシンチ注による肝臓機能検査で核造影剤を注射し、肝臓と心臓をスキャンしそのデータで機能を調べるらしい。検査はいつもと同じで横になっているだけだが、時間が長い。1時間ほどかかって10時には終わった。
8月22日
7月25日に抗がん剤を投与してからほぼ1か月たつので、そろそろ副作用から解放されるかと期待して過ごしているが、手と足の痺れは良くなる傾向はみられず、かえって激しくなっているようだ。シャツのボタンを留めるのも不自由だ。長引くとは聞いているが、だんだん良くなる感じではないようだ。これで半年も治らないと困るなと思うが、これも贅沢な話かもしれない。手術出来るようになったのだから。
8月27日
今日は先日来の検査の結果を見ての診察日だった。前回もそうだった。肝臓機能検査の数値があまりよくない。スキャン映像も全体的に黒っぽい。先生曰く、抗がん剤の影響でまだ肝臓の機能が完全に回復していないようだ。9月3日にもうイ1度血液監査でチェックし、16日に予定している手術日を再検討することとなった。
8月29日
肝臓の機能が低下しているのは想定外だ。数日前にやった3種類の検査での結果だが、想定外だ。検査の1つは、右手から検査液を入れて同時に左手から肝臓経由の液を回収し、肝臓の処理具合を数値で調べるものだが良くなかった。もう1つの核造影剤を注射してのスキャンは異常無しだった。MRIは少し肝臓が黒ずんでいるのが問題点だ。原因を含め、なかなかピタリとした結論が出せないのがガンの治療の難しい所か。9月からはこちら
(8月以降ブログ風日記コメントコーナーを立ち上げました。治療以外一般日記はそちらのコーナーへ書きます。)
7月1日
抗がん剤を始めてから半年が過ぎた。幸い効果が出る体質のようでガン自体が消えたものや半分近くに縮小したものもあり、どの時期をもって切除するのかを決めるのだろう。
大腸転移の肝蔵ガンだけは幸せにも、手術による切除で完治するケースが35%から50%有るとの事です。
7月の21日にCTを撮って決めるのだが、抗がん剤が抗体ができて効かなくならないうちに処理できるといいと思う。
治療期間が長くなると、薬が蓄積して副作用も強くなるそうだし、抗がん剤を変えて行くたびに効果も薄れていくようだ。
7月2日
歯の詰め物が取れてから、検査やお掃除で何回か歯医者に通っている。副作用で唾液の分泌が悪くなっていて、歯に汚れが付きやすくなっているようだ。結局特別なチューブ歯磨を購入する事に〜。色々な影響が出てくるものだ。
7月4日
4週間ぶりの抗ガン剤点滴だ。前回血小板の数値が下がっていたので間隔をおいた。癌の縮小が止まるのが心配だったが、数値的には少しだが上昇していた。
7月6日
自宅での抗がん剤投与中は夜眠れない日が多い。液体を入れているのでトイレも近いせいか、薬の影響かよく分からないが・・・。
7月8日
夕食に美味しそうな鰹の刺身が出た。早速食べると口当たりが良く美味しく感じた。早速カミさんに「私はどちらかと言うとマグロよりカツオの方が好きだ」と言ったら「あらそう」とそっけない。「じゃ今度はカツオにするわ」?何とそれは生マグロだったのだ。柵を下ろしたもので色や形が良く似ていて・・。それにしても味が分からないのは情けないし、美味しいものをと考えてくれているカミさんに申し訳ない。それにしても、ワサビ、カラシ、生姜、唐辛子の無い食生活は何と味気ないか。
7月12日
都知事選に鳥越俊太郎が立候補した。本を読んで、私の状況(大腸癌手術〜肝臓転移〜手術)に似ていたので、再発のない現状は非常に興味があった。ある意味でがん患者の星のような存在だ。潜在的がん患者は皆同じ思いがあると思うので、そちらの票田は馬鹿にならない。
7月13日
今日はFM番組の暑気払いがあった。アーティストを含め10数人で懐かしい話で盛り上がった。口内炎が治った時だったので楽しい時間を過ごす事が出来た。
TV報道で新抗ガン剤(オプジーボ)の副作用が報道されていて、時によっては死に至るそうだ。完全な効果や弊害が完全に分からない薬や治療法がまた多く有りそだが、これも時間との競争なので仕方ないのかも知れない。それにしても患者は命がけなので複雑な心境だ。
7月22日
今朝の新聞でがんの5年後生存率の平均年数が62.1%になったとの記事があった。あくまでも平均なので、悲喜はそれぞれの患者にとっては発症部位でかわります。(2006〜08年診断)
これも抗ガン剤の進歩によるものが大だが。近年分子標的治療が話題だか、これは遺伝子の違いで50%の人のみに効くという神による差別とも言える運命的な薬だ。がんはこんな所でも神秘的な病気だ。
7月25日
21日に撮ったCTの結果を見ながらの診断です。4月に撮ったCTが薬の効果が有ったので、今回も更に期待したのですがそれ程変わらなかったので、肝臓の患部を切除する方向で検討。肝臓専門の先生と30日にお会いし、手術の打合せをする事になった。
9月の肝臓手術はこちら。
最近読んだ本で面白かったもの紹介します。
「ガンを超える生き方」
土橋重隆
川越にある帯津三敬で、終末期医療に携わった医学博士である著者の、ちょっと変わった視点からガンを考える書籍。
普通はガンになってしまった後の事が書かれている本が殆どですが、著者はガンになった原因を探り、治療に結び付ける事を考えています。
例えば乳がんが右に出来る人と左の人は、その原因に違いがあると言う。右は人間関係のストレスから来るものが多く、左は仕事の過労など肉体的な原因によるものが多いと言う。テーマの面白さと患者を精神的にフォローした考え方が伝わる良い本でした。
再発〜がん治療最後の壁
田中秀一
この本を読み進めている時は著者の事をあまり気にしないで読んでいた。色々ながんや治療について分かりやすく、細部の説明も詳しく書かれていたので、医学博士の文章だと思っていた。途中て作者を見ると新聞社の方でした。特に各ガンの治療の抗ガン剤の説明などは、医者より詳しいのではないかと思う程です。客観的俯瞰した解説は大変参考になりました。
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僕はがんを治した
福島正伸
咽頭癌を宣告され、陽子線治療をするために幾つもの病院や先生にアプローチし、やっと治療が始まったが、副作用が半端でなかった。しかしそれによって人間的に得たものも〜極限を経験して、全ての事に感謝や、喜びを感じられるようになった。分かりやすい文章で一気に読んでしまった。著者の人間性も含めがん患者として共感出来た。
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抗ガン剤治療は御多分に洩れずいささかありました。手足の末端の痺れと冷たい水や金具の強烈刺激、爪周りのひび割れと化膿、口内の痺れと炎症・味覚が無くなる。(冷たい物、熱い物、発泡系、カラシ、ワサビ、生姜、唐辛子胡椒などは駄目、もちろん酒も、飲食人間としてはアウア)下痢や便秘、身体中の皮膚荒れなどなど時間差攻撃でやって来ます。
7月の新聞で、がんの5年後生存率の平均年数が62.1%になったとの記事がありました。あくまでも平均なので、悲喜はそれぞれの患者にとっては発症部位で変ります。
これも抗ガン剤の進歩によるものが大です。近年分子標的治療が話題ですが、これは遺伝子の違いで50%の人のみに対応出来るという神による差別とも言える運命的な薬です。ガンはこんな所でも神秘的な病気です。幸い私は選ばれた50%で、更に効きめも良いようです。感謝!
最近読んだ本でタイトルに惹かれた物があった。
目次を開いてさらに惹かれた。どの項目タイトルも良く考えられていて一味違う。目次タイトルEX「人間死ぬのは確実、いつ死ぬかは確率」
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うちの夫婦はアッケラカンで、よく告知で頭が真っ白になる人も多いようでますが、かみさんは「ガン保険が無駄にならなくて良かった~」こんな冗談に私は「そうだね」と軽く言える、そんな明るい毎日ですから・・。そんな雰囲気の方がこの病気には良いようです。看護側には大変ですが。それにしても相方が看護婦だったのは幸せでした。感謝しています。
皆様もガンは早期発見を・・後になって天国と地獄です・・・。
バランス
全ての事でバランスは大事な要素でありポイントだと思う。
それを最初に感じたのは音楽に於ける音のバランスだ。カラオケの録音をする場合、それぞれの楽器をバラバラの別マイクで録音して一つのレコーダーにまとめる訳だが、楽器ごとの音の大きさを揃えるのかがバランスだ。
例えばベース奏者から自分の音を「もっと大きく」とのリクエストがあった場合(大体皆さん自分の楽器を中心に聴いているので)それに答えた場合、その楽器が大きくなるだけでなく、その音で隠れてしまう楽器が出てくる。それも楽器ごとに隠れ具合が違う。隠れ過ぎた音を上げるとそれによってまた他のが影響を受けてしまう。こちらとしては全体のバランスがグチャグチャになってしまう。
何でもそうなのだが、世の中の事は、目に見える1点を直せば良くなるのではなく一つの事を変える事は全体を見ながら考え直さなければならないという事だ。病気治療はその最たるものだろう。
料理の味もそうだろう。貧富のバランス、若老バランスもある。政治のバランスなどは男と女のバランス、喧嘩が好きな人、嫌いな人などを考えてグループ枠を作らないと、票数の過半数のみで全て決めて行くと、とてもバランスの悪い世の中のになる。声の大きい人が勝ち、策略のうまい人が勝ち、調子のいい人が勝って行くと。そんな人の集まりが全ての事を決める事になる。
その結果、勤勉実直型や芸術家タイプが割を食う世界になって行く。行くとこまで行って壊れてまた繰り返す。歴史を見れば明らかで、残念ながら人間は余り賢くない。そのうち人類が壊れる時が来るかもしれない。その時はやり直しは利かない。
仕事の意味
「無から有へ」で書いたように、音楽プロデューサーとしてレコード〜CD制作を職業としてきたわけだが、レコードやCDは容れ物であり、売りたいものは物質でない音です。更には音に表現されている心(感動や励まし)を届ける仕事をしていた訳です。
また音楽は人により感じ方は違うので、仕事の評価は点数や順位は付けられない。
だが世の中では売り上げ枚数(オリコン)や金額で順位を付けられたり価値(ヒット賞)付けをされる。そのうちに日々やることがそちらに関心が向いていつの間にか目的になってしまったりする。会社レベルでも同じことが言える。
それは良いとして、音楽に限らずそれぞれの仕事は売った物にお金で(物質)対価を払われる訳だが、それぞれの仕事は何を売っているのだろう。
政治家は人々の満足感、先生は生徒の人間としての成長、
医者は体を治しと心もプラスにする。
だがサラリーマンは会社の社会的な貢献度(内容)で決まって来るのだろう。経営者の志も毎日やっている仕事と大いに関連している。会社レベルで目的が売り上げ数字になってしまうのは恐ろしいことだ。
金儲けに絞っていえば麻薬の売人はどうだろう。人間の身体にも心にもマイナス以外に無い。タバコはどうだろう。身体にはマイナスだが心の満足感を得られるのだろう。
オレオレ詐欺もマイナスしか与えないが、「末期ガンが治る」などとのコピーでの通販にも詐欺商法的な物もあるので注意が必要だ。
話を「無から有へ」に戻す。例えば火事で家が焼けたとすると、稼いだ札束は燃えてしまう。気に入って買った洋服も燃えてしまう。CDも燃えてしまう。ただ音楽から受けた感動は心に残っている。
人も死ぬと火葬されて物体は無くなるが、心は残っているのでは無いかとの説もある。
結論として、毎日の仕事が、他の人(ユーザー)の心にどんな風に役立っているかを時々考えると、少し働き方も変わるのではないかと思います。
TVのワイドショー
TVのワイドショーの不自然を感じるのは、世の中の出来事が大小内容を問わずフラットになる事です。横並びも縦並びも皆同じ内容です。2〜3の番組を除いて、何処の番組も出来事の表面を伝えるだけで、その原因や結果に付いて、裏にある心の問題にまで踏み込まない。もっと各番組が独特な角度の表現や提案をしたら、番組ごとのファンが付いて、録画を撮ってでもその番組を観るだろう。
味の無い生活
味が殆ど感じられなくて半年が過ぎた。TVなどで美味しそうな料理が映ると食べたいなと思うのだけど、ふと我に帰ると「ああ、そうか」と思う。急に何かが食べたくなって料理店に入って注文するが、口に運ぶといつものあの味がしない。最近は頭で考えるだけで諦めてしまう。旅も同じで、行ってみたいなと思うが、多分旅いざ行ってみると体力も食事も結局家にいた方が良かった〜になりそうだ。
ガン治療の季節
ガンを告知される日は自分では選べないが、その治療は季節によって大分苦労度合いが違う。入院生活が続く場合は関係無いが・・・。それは抗ガン剤治療における副作用の出方だ。私の場合1月から投与を始めたので一番寒い時期だった。まず手足の先が痺れ冷たいものに触ると電気が来たようにビビっとする。。扉のノブなどについ触ってしまう。そこで手袋が必需品だ。また風呂に入るまでが寒くて、上がってから直ぐ冷めてしまうので、かみさんが寝間着などをストーブで温めてくれて助かった。癌治療は寒さが強敵だ。寒い雨の日に仕事があり、その日から口内炎などほかの副作用も一時に悪くなった日もあった。
こんなおいしそうなものが・・・1年間のお休みです。でもお酒抜き、ワサビ抜きでは味気ないから全快した時の楽しみに・・・。今年中に行けるかな・・・。
投与前から足と手先の痺れは強かったが、新薬を投与してから一層強くなった。左足の中指が紫になり化膿が始まった。(見苦しくてすみませんが写真同病者の参考まで掲載)
「がんに負けない諦めないコツ」
鎌田實
TVでも有名な鎌田實が、一般の患者や同じ医者や有名人などとの対話形式で書かれたものだ。特に遺伝子学者村上和雄氏の、遺伝子のスイッチがオン・オフ して人体・人間の全てを支配する話は面白かった。
「聖の青春」 大崎善生
私が将棋好きな事もあるが、幼少より病魔と闘いながら将棋8段迄登り詰め、名人一歩手前でガンで亡くなった村上聖の壮絶な半生の物語です。秋には映画も公開されるようで、今後話題になる作品です。
「大学教授がガンになってわかったこと」 山口仲美
明治大学の教授で文学博士の筆者が、女性の視点と表現で大腸ガン発病からの闘病生活のエピソード集だ。ガン患者が誰でも感じる疑問点や困った事をテーマに、ジメジメしない分かりやすい表現が読みや易く楽しめた。
「わたし、ガンです ある精神科医の耐病記」 頼藤 和寛
筆者自身が医者なので、病院内部の事や病気の事を知った上で、歯に衣着せない言い方で、発病した患者の治療や手術が行われていく状況を辛口に綴った作品。一般的な物より一足踏み込んだ所が面白い。
「振り回されない、がん医療」
福島敬宣
病理医と言う医師のポジションとしては少し変わった角度から、がん患者にアドレスすをしてくれる貴重な一冊です。とても真面目に又爽やかな読み心地は、読み終わった後に何故か安心感を覚えました。ご推薦。